日本年金機構から、今年も「資料の提供依頼」が届きました。
以前の記事でも、日本年金機構から届いた「厚生年金保険・健康保険の加入状況にかかる調査票」や、その後に届いた「資料の提供依頼」について紹介しました。
今回も、当社のような家族経営の小さな法人に届いた「資料の提供依頼」について、実際にどのように対応したのかを紹介します。
当社は現在、厚生年金保険・健康保険の加入対象者がいない状態です。
そのため今回も、賃金台帳の写しを提出して対応しました。
ただ、今回の資料を改めて読んでみると、単なる「毎年届く書類」ではなく、日本の社会保険制度が今後どの方向に進んでいくのかを考えるきっかけにもなりました。
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これまでの経緯については、以下の記事で詳しく紹介しています。
・【実体験】日本年金機構から「厚生年金保険・健康保険の加入状況にかかる調査票」が届いた場合の対応
・【実体験】日本年金機構から「資料の提供依頼」が届いた場合の対応
前々回の記事では、最初に届いた「厚生年金保険・健康保険の加入状況にかかる調査票」について、実際の質問内容や回答、提出後の電話問い合わせについて紹介しました。
前々回の記事「厚生年金保険・健康保険の加入状況にかかる調査票」
その後、「資料の提供依頼」が届いた際の対応については、こちらの記事で紹介しています。
今回は、その続編です。
今年も「資料の提供依頼」が届いた
今回、日本年金機構から届いた文書には、厚生年金保険・健康保険について、次のような趣旨が記載されていました。
厚生年金保険・健康保険は、労働者の医療保障や所得保障のために重要な制度です。
そのため、法律によって一定の事業所には加入が義務付けられており、
日本年金機構では関係機関から事業所情報の提供を受け、
事業を行っていると思われる事業所について、加入状況などを確認しています。
そして、当社については、
「以前、決算書や議事録等によって、報酬が出ていないことや、厚生年金保険等の加入対象者がいないことを確認している」
という内容が記載されていました。
つまり、日本年金機構側も、当社が以前からどのような状態なのかを把握したうえで、今年度についても改めて確認しているわけです。
法人事業所は、原則として厚生年金保険の適用事業所となりますが、実際に誰が被保険者となるのかについては、役員報酬や従業員の勤務実態などによって判断されるようです。日本年金機構も、適用事業所と被保険者を分けて確認していると思われます。
提出を求められた書類
今回、提出を求められたのは、以下のいずれか1点の写しでした。
- 今期の役員報酬支給がないことがわかる文書
- 賃金台帳
- 直近の決算書(販売費及び一般管理費内訳書・役員報酬等の内訳書)
当社では、この中から「賃金台帳」の写しを提出しました。
これによって、現在も厚生年金保険・健康保険の加入対象者がいない状態であることを確認してもらうことになります。
特に難しい対応をする必要はなく、現在の会社の実態が分かる資料を提出するだけです。
当社は「加入対象者がいない」状態が継続
当社は、いわゆる小規模法人です。
家族経営の非常に小さな会社で、現在は法人に現預金を蓄積していくフェーズにあります。
そのため、厚生年金保険・健康保険の加入対象となる従業員もいません。
したがって、今回も前回と同じく、
「現在も加入対象者はいません」
というのが当社の実態です。
ここは重要なところです。
「社会保険料を払いたくないから加入していない」という話ではありません。
加入義務があるにもかかわらず加入していないのではなく、
現在の会社の役員・従業員の状況では加入対象者がいないため、加入していないという状態です。
もちろん、今後、加入対象になる程度の役員報酬を支給するようになったり、加入対象となる従業員を雇用したりすれば、話は変わってきます。
その場合は、適切に社会保険への加入手続きを行う必要があります。
家族経営の小さな会社にも細かく確認が入る
今回、改めて感じたのが、
「ここまで小さな会社にも、毎年きちんと確認が来るんだな」
ということです。
当社のような家族経営の零細企業であっても、日本年金機構から細やかに加入状況の確認が行われます。
以前は、
「小規模法人だから、それほど細かく見られないのでは?」
と考えていた時期もありました。
しかし、実際にはそうではありません。
最初に「厚生年金保険・健康保険の加入状況にかかる調査票」が届き、その後「資料の提供依頼」が届き、今回のように翌年度以降も継続して確認されます。
以前の記事でも紹介したとおり、当社では実態をそのまま説明することで対応してきました。
これは今後も変わらないと思います。
社会保険への加入促進は「メガトレンド」と考えたほうがいい
今回の資料を見て、もう一つ感じたことがあります。
それは、
「社会保険への加入促進は、今後も続いていく大きな流れなのだろう」
ということです。
実際、厚生労働省は社会保険の適用拡大を進めています。
2027年10月からは、短時間労働者への社会保険適用について企業規模の要件が縮小され、さらに2029年、2032年、2035年と段階的に対象企業が広がっていく予定です。
また、2026年10月には短時間労働者の賃金要件が撤廃される予定となっています。
つまり、社会保険については、
「できるだけ加入対象者を増やしていく」
という方向に制度が進んでいると考えたほうがよさそうです。
これは一時的な動きではなく、かなり長期的なトレンドです。
社会保険は「負担」だけで考えない
小規模法人を経営していると、どうしても社会保険料を「会社と個人が負担するコスト」として考えてしまいます。
私自身も、会社のキャッシュフローを考えると、社会保険料の負担は決して小さくないと感じています。
しかし、本来の社会保険制度は、単純に「税金や保険料を徴収する仕組み」ではありません。
厚生年金に加入することで、基礎年金に加えて厚生年金を受け取ることができ、健康保険についても、病気やけが、出産などによって仕事を休んだ場合の所得保障があります。
つまり、社会全体でリスクを分担し、働く人を支えるための仕組みです。
会社を経営する側からすると、保険料負担という「支出」に目が行きがちです。
しかし、社会全体で考えれば、働く人の生活を支えるための重要なインフラでもあります。
「社会を支える側」に回る
私は現在、会社の現預金を蓄積することを優先しています。
そのため、今の当社には厚生年金保険・健康保険の加入対象者がいません。
だからといって、
「できるだけ社会保険に加入しないように会社を運営したい」
とは考えていません。
むしろ、会社が成長し、従業員を雇用するようになったりすれば、当然のこととして適切に社会保険へ加入したいと考えています。
会社が小さいうちは社会保険料を負担する余力がない。
会社が成長すれば、その分だけ社会保険料を負担し、働く人を支える。
そう考えると、社会保険への加入は「会社にとっての負担」という一面だけではなく、
「会社が社会を支える側になる」
という側面もあるのではないでしょうか。
当社にも「加入する日」はいずれ来る
今回も賃金台帳を提出し、現在は加入対象者がいないことを確認してもらいました。
おそらく、当社の現在の経営方針が続く限り、しばらくは同じような確認が続くのだと思います。
しかし、会社は永遠に同じ状態ではありません。
不動産賃貸業を続けていけば、事業規模が大きくなる可能性があります。
多額の役員報酬を支給する日が来るかもしれません。
従業員を雇用する日が来るかもしれません。
そうなれば、当社も厚生年金保険・健康保険に加入する日が来るでしょう。
そのときには、
「社会保険料が高いから嫌だ」
という視点だけではなく、
「会社が社会を支える側に回った」
と考えられる経営者でありたいと思っています。
まとめ
今回は、今年も日本年金機構から「資料の提供依頼」が届いたため、その対応について紹介しました。
今回も、賃金台帳の写しを提出しました。
当社では、現在も役員報酬を支払っておらず、厚生年金保険・健康保険の加入対象者がいない状態が継続しています。
そのため、今回も加入手続きを行う必要はありませんでした。
一方で、今回の資料を改めて読んで感じたのは、社会保険への加入促進は今後も続いていく大きな流れだということです。
実際に厚生労働省は、短時間労働者などを対象とした社会保険の適用拡大を段階的に進めています。
小規模法人を経営していると、社会保険を「できれば避けたいコスト」と考えてしまいがちです。
しかし、社会保険は働く人の医療保障や所得保障、老後の所得保障を支える重要な社会インフラです。
当社も、現在はまだ加入対象者がいません。
それでも、会社が成長すれば、いずれ加入する日が来るでしょう。
そのときには、社会保険料を単なる「経営コスト」として見るのではなく、
「自分たちも社会を支える側に回った」
と考えたいと思います。
小規模法人を運営する立場として、制度の趣旨を理解し、必要になったときには適切に加入する。
これが、長く事業を続けていくうえで大切な姿勢なのだと思います。
以上、ご参考になれば嬉しいです。

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