理系サラリーマン兼DIY大家が「第二種電気工事士」を取るべき3つの理由

不動産賃貸経営

はじめに

「資格を取るなら、仕事にも趣味にも投資物件にも効いてくるものがいい」——そう考えたときに行き着いたのが第二種電気工事士でした。

私は普段、電子部品メーカーでCAEや3D設計ツールを扱う理系サラリーマンです。一方で賃貸アパートを保有する大家業も行っており、共用部の照明器具の交換や、コンセントの増設、スイッチの位置変更など「ちょっとした電気工事」が発生する場面があります。

そのたびに電気工事店に依頼するのは、コスト面でも機動力の面でも非効率だと感じていました。第二種電気工事士は、この課題をまとめて解決してくれる資格です。この記事では、資格の概要・勉強法・取得後に活かせる場面を、実務目線で整理します。

第二種電気工事士とは何か

第二種電気工事士は、一般住宅や小規模店舗など、600V以下で受電する設備の電気工事に従事できる国家資格です。無資格での電気工事は電気工事士法で禁止されており、コンセントの新設や配線の変更、照明・スイッチの交換といった作業は、たとえ自分の所有物件であっても本来は有資格者でなければ行えません。

試験は年2回実施され、筆記試験と技能試験の2段階構成です。筆記はマークシート式で電気理論・配線図・関連法規などが出題され、技能試験は実際に工具を使って配線・結線作業を制限時間内に完成させる実技試験になります。

理系サラリーマンにとっての勉強効率の良さ

CAEや設計業務に日常的に触れている理系エンジニアにとって、筆記試験の電気理論部分(オームの法則、電力計算、力率など)は既存の知識の延長線上にあり、大きな負担にはなりにくいというのが実感です。

一方で技能試験は座学とは別の筋肉を使います。配線の複線図を素早く描き、決められた時間内に正確に結線する練習が必要になるため、ここは机上の勉強というより「手を動かす訓練」として捉えるのが近道です。候補問題はあらかじめ公表されているため、全パターンを反復練習すれば合格ラインには十分到達できます。

勉強のロードマップとしては、おおよそ次の流れが効率的です。

  • 筆記対策(1〜2ヶ月): 過去問演習を中心に、頻出の計算問題と配線図記号を暗記
  • 技能対策の準備: 工具一式と練習用材料(電線・器具)を早めに確保し、複線図の書き方を先に習得
  • 技能対策(筆記合格発表後〜本番まで): 公表候補問題を最低2〜3周、時間を計って反復

DIY大家業との相性の良さ

ここが個人的に一番のメリットだと感じている部分です。

例えば、アパートの共用部(廊下・階段・エントランス)の照明器具が経年劣化で点灯不良を起こした場合を考えてみましょう。

共用部の照明は入居者の目に日常的に触れる部分であり、点灯不良を放置すると防犯面・印象面の両方で物件の評価を下げてしまいます。一方で、電気工事店に依頼すると、器具本体の費用に加えて出張費・作業費が上乗せされ、複数箇所をまとめて交換する場合はまとまった金額になりがちです。日程調整にも数日〜数週間かかることが多く、その間は不点灯箇所が放置されることになります。

有資格者であれば、次のような流れで自己対応が可能になります。

  • 既存器具の型式・配線方式(スイッチ結線か、常時通電かなど)を確認
  • 電源を遮断した上で、既存の配線・スイッチの結線状態を確認しながら器具を取り外す
  • 新しい器具(LED器具への更新を含む)を選定し、極性・接地を含めて正しく結線
  • 動作確認と絶縁確認を行い、問題がなければ完了

このように、部材費のみで即日対応できることに加えて、老朽化した照明をLED器具に更新することで、共用部の電気代削減にもつながります。共用部は各戸のように個別メーターで按分されない、大家側の直接コストであることが多いため、この電気代削減効果は運営コストに直結します。

もちろん、資格を取ったからといって全ての工事を自己判断で進めてよいわけではなく、幹線や分電盤に関わる規模の工事、契約形態によっては電気工事店への依頼が必要な場面も残ります。ただし「自分でできる範囲」と「プロに任せるべき範囲」の境界線を正確に理解できるようになること自体が、大家業のリスク管理上、大きな価値を持ちます。

資格を活かした仕事・副業の可能性

第二種電気工事士は独占業務資格であるため、資格そのものが直接的な収入源になり得る点も見逃せません。

  • 自己保有物件の工事対応によるコスト削減(共用部照明の交換のように、これも実質的なリターン)
  • 知人・小規模オーナー向けの軽微な電気工事の請負(法人化や実務経験の条件を確認した上で)
  • 管理会社や工務店とのやり取りにおいて、見積内容や施工範囲を技術的に正しく判断できる交渉力の向上

特に最後の点は見落とされがちですが、有資格者として配線方式や工事範囲を理解していると、外部業者への発注時にも過不足のない見積を見極められるようになり、無資格の大家に比べて無駄なコストを抑えやすくなります。

まとめ

第二種電気工事士は、理系エンジニアにとって学習コストが比較的低く、DIY大家業にとっては実務直結、さらに外部業者との交渉力向上にもつながる、投資対効果の高い資格です。

「勉強」「大家業のDIY」「資格を活かした仕事」の3つが一直線につながる数少ない国家資格として、理系サラリーマン兼DIY大家には特におすすめできます。

以上、ご参考になれば嬉しいです。

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