こんにちは。田舎暮らし投資家のニョロです。
今回も住宅ローン関連の話題をお伝えします。今回は住宅ローンにおける自己資金について、私の体験を踏まえてお伝えします。いくら用意すれば良いのかという議論は良く見かけますが、どのような考え方で自己資金を使うのかという話はあまり見かけません。そこで、私の考える自己資金の使い方を4つのステップで解説します。
ステップ① 生活設計を考える
投入する自己資金を決定する上で何にも増して重要なことは現在の生活で何にいくらかかっているのかを知り、いくら用意すれば良いのかを知ることです。つまり、生活設計です。なぜ生活設計が重要かというと、今の家賃に対して月々の住宅ローンの支払いがいくらになるのか? 生活防衛資金としていくら残せば良いのか? 不要な固定費はないか? など、お金の流れを良くする情報が全て得られるからです。強く言うと、現時点で生活設計が出来ていない人は持家の購入を考えてはなりません。非常に危険です。
しかし、家計、つまり生活設計を考えていない人が非常に多いようです。金融広報中央委員会による家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯)によると、「現在生活設計を立てていないし、今後も立てるつもりはない」と答えた人が22.6%、「現在生活設計を立てていないが、今後は立てるつもりである」と答えた人が41.1%でした。(2019年) なんと、現在生活設計を考えていない人が全体の6割以上を占めるという結果でした。驚くべき結果ですが、これが日本人のマネーリテラシーの低さの象徴です。
それはさておき、まずは生活にいくらかかっているのかを調べ、絶対必要な基礎生活資金と、あったら豊かになる余裕資金について、毎月と年間、そして長期でかかるものを区別して予算を立てましょう。このフレームワークを使って生活設計を考えると、自分の価値観を基準として予算を立てる事ができます。この点が一般的な家計簿と異なります。
基礎生活資金 | 余裕資金 | |
月間 | 家賃、食費、水道、光熱費、日用品、通信費、服、死亡保険 | 交際費、医療保険、ゲーム、ペット |
年間 | 自動車保険、税金、家具、家電、美容・健康 | 旅行、冠婚葬祭、プレゼント |
長期間 | 火災保険 | 自動車 |
上記の予算の立て方がどのように役立つかというと、必要なものと不必要なものが明確になって、家計を見直しやすくなるからです。例えば、単純に現在の家賃よりも月々のローン支払いが多くなれば生活は苦しくなりますが、自分の価値観に応じて家計を見直して余剰資金を捻出してローン支払いに充当できれば生活は変わりません。同じような考え方で、自己資金を何円投入すれば今の家賃と同額にできるか、という計算もしやすくなります。
生活設計を考えている人は家計簿を作成することら始めましょう。MoneyForward MEというサービスを使えば、銀行、証券会社やクレジットカード会社などの情報を集めて家計簿や月間予算をほぼ自動で作成することができます。MoneyForward MEは今のところ最強のサービスです。MoneyForward MEを使って月間、年間の支出がわかったところで、基礎生活資金と余裕資金に分類できれば、生活設計をしていない人達の集団から脱出できます。
ステップ② 生活防衛資金を確保する
次に生活防衛資金を確保しましょう。生活防衛資金の金額はステップ①の生活設計から求めた絶対必要な基礎生活資金から計算しましょう。例えば、月々25万円で生活している場合、100万円(25万円 × 4カ月)あれば一時的に収入が無くなっても4カ月間は生活できます。一旦はこのような単純な考え方で問題ないです。要は、「何円あれば何日生きられるのか」という計算です。また、生活防衛資金はその人の生活水準とリスク許容度によって決まります。したがって、他の家庭と比較はできません。自分で決めましょう。
ステップ③ 住宅所得に必要な事務費用を確保する
続いて、住宅取得までにかかる事務費用を確保しましょう。蓋を開けてみると以外と多くの支払いがあることに気づきます。個々の金額は小さいのですが、合計すると無視できない金額になります。下記、事務費用の例です。
- 業者に支払う契約金(着手金)・・・50万円
- 融資事務手数料・・・銀行によって30〜90万円
- つなぎ融資の利息・・・日数による
- 登記関連費用・・・50万円
- 火災保険・・・30〜50万円(住宅ローンに含めることもできる)
ざっくりと計算しても200万円以上は必要です。これらは住宅取得時に必ず掛かってくる費用であり、住宅ローンに含めることができないものもあるので計画的に確保しましょう。
ステップ④ 自己資金を投入して毎月の返済額を調整する
毎月の返済額を調整することを目的として自己資金を投入するのは有りです。したがって、自己資金を投入しなくても必要な基礎生活資金が大きく変わらないのであれば、無理して借入金を抑制する必要はありません。なぜならば、住宅ローンは低金利だからです。例えば、500万円を自己資金として投入したとしても、借入金500万円にかかる金利分しか得をしません。金利:0.5%、期間:35年、返済方法:元金均等の条件で借入額3,000万円と3,500万円の場合で比較すると、利息合計の差額は438,533円です。35年で割ると、年間わずか12,530円です。一方で、自己資金500万円を投入して借入額を3,000万円に減らした場合、毎月の返済額は13,988円減ります。これをどう考えるかはご家庭次第です。
私の場合、新居への入居前の借家の家賃が月間65,000円でした。したがって、ローン支払いも月間65,000円になるように自己資金を準備し、借入金額を抑制しました。もちろん余裕資金の範囲内です。
借入額 | 30,000,000 | 35,000,000 |
毎月の返済額 | 83,928 | 97,916 |
返済総額 | 32,631,061 | 38,069,594 |
利息合計 | 2,631,061 | 3,069,594 |
まとめると、借入金に対して自己資金を投入する効果は以下の通りです。
- 毎月の住居費用が増えて生活水準が崩れるのを防ぐために自己資金を投入するのは効果が大きい。
- 利息を低減する効果は小さい。
- 変動金利型の場合、借入額が減ることによって金利上昇リスクが低減される。(低金利で効果は小さいけど、、)
借金が嫌だからといって無理して自己資金を投入してしまうと金融資産を購入するための資金が不足して資産拡大の効率が低下したり、現金が不足して自己破産になる可能性が高まることを覚えておきましょう。
まとめ
住宅ローンにおける自己資金の使い方を4つのステップで考えました。
- 生活設計を考える
- 生活防衛資金を確保する
- 住宅取得に必要な事務費用を確保する
- 自己資金を投入して毎月の返済額を調整する
現金は最強の金融資産であることは疑いようのない事実です。借金が嫌だからといって無理して自己資金を投入せずに、現金を有意義に使いましょう。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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