融資の利息で買っているのは「信用」だけではない
前回の記事では、
事業性融資における支払利息は
「銀行からの信用を買うための対価」である、という考え方を紹介しました。
約定通りに返済を続けることで、
- 金融機関内での評価が積み上がり
- 次の融資が出やすくなり
- 条件が改善されていく
これは、事業融資を使ったことがある人なら実感できる話です。
しかし、利息で買っているものは信用だけではありません。
信用を得ることで、もう一つの重要な資源を手に入れています。
それが時間です。
融資を使うとは「将来の資金を前倒しで使う」こと
融資とは、
- 将来返済できると評価された資金を
- 今すぐ使うことを許可される仕組み
です。
言い換えると、
融資とは、信用を担保にして「時間を前借りする行為」
とも言えます。
この構造を、2,000万円という現実的な金額で見てみます。
前提条件:2,000万円の事業投資を想定する
以下の条件を置きます。
- 必要資金:2,000万円
- 融資条件
- 金利:年2.0%
- 返済期間:20年
- 想定利回り:年5%
(賃貸不動産・事業投資として保守的な水準)
この場合、
- 初年度の利息:約40万円
- 20年間の総支払利息:約430万円(概算)
数字だけを見ると、
「利息430万円は高い」と感じるかもしれません。
では、融資を使わない場合と比較してみます。
【比較】融資を使わない場合 vs 融資を使う場合
(WordPressのテーブルブロックでそのまま使用)
| 項目 | 現金で貯める (融資を使わない) | 融資を使う |
|---|---|---|
| 必要資金 | 2,000万円 | 2,000万円 |
| 資金準備方法 | 自己資金を貯める | 融資で即時確保 |
| 毎月50万円貯金 | 約40ヶ月(約3.3年) | 不要 |
| 投資開始時期 | 約3年以上後 | 今すぐ |
| 利息支払 | 0円 | 約430万円 |
| 信用実績 | 積み上がらない | 着実に積み上がる |
| 失うもの | 時間 | 利息 |
| 得るもの | 利息ゼロ | 時間+信用 |
時間を金額に換算すると何が見えるか
想定利回りを年5%とすると、
- 2,000万円 × 5% = 年間100万円の収益
現金で貯めて約3.3年待った場合、
- 100万円 × 3.3年 = 約330万円の機会損失
つまり、
- 支払利息:約430万円
- 失わずに済んだ時間価値:約330万円
- さらに得られるもの:
- 3年以上の事業経験
- 返済実績
- 金融機関との取引履歴
これらは数値化しづらいものの、
次の融資条件に直結する重要な資産です。
利息は「信用を通じて時間を圧縮する装置」
ここまでを整理すると、融資は次の流れで機能しています。
- 利息を支払う
- 銀行から信用を得る
- 大きな資金を前倒しで使える
- 事業開始までの時間を短縮できる
- 収益・実績・信用が早く積み上がる
利息は単なるコストではなく、
信用を媒介として時間を買うための料金です。
まとめ:利息とは「信用」と「時間」の対価である
前回の記事で述べた通り、
利息は「信用を買うための支払い」です。
そして、その信用によって、
- 将来の資金を今に持ってきて
- 事業のスタートを数年単位で前倒しできる
つまり、
利息とは、
信用を通じて「待つ未来」を短縮するための対価
この視点を持つことで融資が強い武器になることが理解できます。
以上、ご参考になれば嬉しです。

コメント