不動産賃貸経営を始めたばかりの頃、私はずっと違和感を抱えていました。
「支払利息って、結局ムダ金じゃないのか?」
すでに住宅ローンを組んでいたこともあり、
毎月引き落とされる利息の金額を見るたびに、
「このお金がなければ、もっと楽なのに」と感じていました。
利息は経営や家計を圧迫する。
借入金は少ない方がいい。 利息は極力払わない方がいい。
当時の私は、そう信じて疑いませんでした。
しかし、実際に物件取得のための事業性融資を受け、 返済を重ねながら賃貸経営を続けていく中で、 その考え方は少しずつ変化しました。
「利息を支払って信用を買っている」と理解できた瞬間
決算報告のために銀行を訪れ、 銀行員と数字を確認しながら話をしていたときのことです。
特別なことを言われたわけではありません。
返済状況、収支の推移、今後の見通し。 ごく淡々としたやり取りでした。
その最中、ふとこんな言葉が頭に浮かびました。
「単純に利息を支払っているのではなく、信用を買っているのではないか」
事業性融資において、銀行が見ているポイントは意外とシンプルです。
- 約定どおり返済しているか
- 返済が継続しているか
- 資金管理が破綻していないか
派手な事業計画や、将来の夢を語ることよりも、
「契約通りに利息を支払い、元金を返済しているか」
が何より重視されていると感じました。
つまり、返済実績そのものが信用の履歴になります。
その信用を積み上げるために支払っているのが「利息」だと考えると、 それまで感じていた違和感は、すっと消えていきました。
実体験:返済80%完了時点で次の融資を獲得
この考え方に切り替えてから、 私は返済に対するスタンスを明確に変えました。
- 無理な金利交渉はしない
- 無理に早く返そうとしない
- 無計画な繰上返済はしない
- 約定どおり、淡々と返済を続ける
- 金融機関との関係を切らさない
短期的な利息削減よりも、 長期的な信用の積み上げを優先するという判断です。
その結果、1件目の融資の返済が約80%完了した段階で、 次の賃貸不動産購入のための融資を受けることができました。
まだ完済していない状態にもかかわらず、です。
このとき、はっきり理解しました。
銀行は「借金がない人」よりも、
「借りて、返し続けている人」を評価する。
返済実績の積み上がり=利息の積み上がり=信用の蓄積
ここまでの流れを整理すると、構造はとても単純です。
- 返済実績が積み上がる
- 結果として利息も積み上がる
- それが信用として蓄積される
利息は、単に失われていくお金ではありません。
「返済能力があることを、時間をかけて証明するための対価」 そう考えると、
利息の意味合いは大きく変わります。
逆に言えば、利息を一切払わない状態というのは、 銀行にとって評価材料が極めて少ない状態とも言えます。
銀行目線で見る「良い顧客」とは
銀行の立場に立って考えると、 良い顧客の条件は非常に現実的です。
- 必ず返済してくれる
- 長期間にわたって取引が続く
- 継続的に資金調達を行っている
- 結果として利息を支払ってくれる
つまり、
「借りて、返して、また借りる」
このサイクルを安定して回せる事業者こそ、 銀行にとって価値のある顧客だということです。
借入金=悪、利息=無駄、ではない
もちろん、無計画な借入や、 返済不能に陥るような融資は論外です。
しかし、事業として成立しているのであれば、
- 借入金は成長のための道具
- 利息は信用を得るための必要経費
そう捉えることで、 融資に対する恐怖や罪悪感は大きく減りました。
これから融資を受ける人へ
もし今、支払利息に強い抵抗を感じているなら、
「利息を払って信用を買っている」
という視点で、一度見直してみてください。
その信用は、 次の融資、次の事業、そして次のステージへと、 時間をかけて、しかし確実につながっていきます。
以上、ご参考になれば嬉しです。

コメント