今回は法人・個人事業問わず、事業開始直後の強い味方になる「楽天ビジネスカード」について、実体験を中心にご紹介します。
このような方にお勧めの記事です。
- 楽天ビジネスカードの実際の使用感を知りたい。
- 会社員をやりながら法人経営をしている。
- 既に楽天のクレジットカードを持っていて法人化後も楽天経済圏を使いこなしたい。
- 法人でクレジットカードを申し込んだが審査に落ちた。
- ビジネスカードが今すぐ必要
(出典:楽天ビジネスカード)
ビジネスカードの必要性
ビジネスにおけるお金のやり取りは、口座振替や振込が一般的です。
しかし、取引の度に銀行に行ったりインターネットバンキングを利用するのは効率が悪いですし、各種電子決済サービスが発展している昨今、クレジットカードが無いと購買活動ができない場面も出てくるかもしれません。
そこで活躍するのが事業専用のクレジットカード、ビジネスカードです。
また、購買活動が楽になるだけなく、経理業務も楽になることを忘れてはいけません。
ビジネスカードの引き落とし口座を事業専用の銀行口座に設定することで、個人と事業の取引が混ざることが無くなりますし、取引データが電子的に保存されるため、経費の計上漏れを防ぐことができます。
楽天ビジネスカードの基本情報
申込み対象 | 20歳以上で安定した収入のある法人代表者様(会社登記上の代表者)、 個人事業者 |
申込み条件 |
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年会費 | 楽天プレミアムカード(個人口座)税込11,000円 楽天ビジネスカード(事業用口座)税込2,200円 (合計13,200円) |
利用可能枠 | 楽天プレミアムカード・楽天ビジネスカードの合算で最高300万円 |
支払預金口座 | 楽天プレミアムカード⇒ 個人用の預金口座 楽天ビジネスカード⇒ 事業用の預金口座 ※楽天プレミアムカードと楽天ビジネスカードを同じ支払預金口座にできない。 |
支払方法 | 1回のみ |
キャッシング | なし |
国際ブランド | VISA |
発行枚数 | 1枚 |
保険 | 国内旅行傷害保険:最高5,000万 海外旅行傷害保険:最高5,000万 動産総合保険:最高300万円 ※ 国内旅行傷害保険・海外旅行傷害保険・動産総合保険は楽天プレミアムカードのみの付帯 |
ETCカード |
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(出典:楽天ビジネスカード)
楽天ビジネスカードの実際(申込み~使用まで)
【申込み】会社員+法人経営の場合の「勤務先」はどうする?
私の場合、下記のような状況でした。
- 既に楽天プレミアムカードを使用していた。
- 会社員をやりながら法人を設立した。
ここで、登録情報に会社員(労働者)としての情報を入れるべきか、法人代表としての情報を入れるべきかという疑問が生じます。
これについて、楽天カード株式会社コンタクトセンターに問い合わせたところ、「法人代表としての情報を入れてください」という回答をいただきました。
そのため、楽天ビジネスカードを申込むにあたり、楽天プレミアムカードに登録してあった勤務先などの情報を自分が設立した法人のものに変更しました。なお、部署名は「代表取締役」としました。
支払い口座が法人名義の場合、発行日より6カ月以内の会社の登記簿(履歴事項全部証明書など)を送付する必要があります。
申込みからカード到着まで
申込みから10日程度で到着しました。
正直、法人としての売上の実績がほぼ無い状態でスムーズに審査に通ったのは驚きでした。
楽天ビジネスカードは比較的審査に通りやすいという情報は確かなようです。
なお、私の知人は、個人事業+法人経営の形態で、楽天プレミアムカードと楽天ビジネスカードの同時申込みをして同じく10日程度で到着していました。
個人での楽天系クレジットカードの使用実績有無は審査スピードにそれ程影響しないのかもしれません。
「利用可能枠300万円」はどうか?
利用枠が楽天プレミアムカード(個人)・楽天ビジネスカード(法人)の合算で最高300万円という仕様がデメリットと感じていますが、現在の事業規模では不都合はありません。
不動産賃貸経営の場合、劣化した設備の部品や消耗品を楽天市場等で購入するため、楽天ビジネスカードの利用は月に数千~十数万円になります。それに加え、個人での楽天プレミアムカードの利用が20~40万円ですので、300万円を超えることはなさそうです。
ただ、個人と法人の利用枠が分離されている方が、双方の財務への干渉が無いため、経営判断に影響が出にくいように思います。
これは、楽天ビジネスカード(法人)が楽天プレミアムカード(個人)の不随カードである以上、受け入れるしかなさそうです。
「支払方法1回のみ」はどうか?
他のビジネスカードの支払方法も一括払いが主流です。それ以前に、流動負債を増やすよりも現預金を多くして経営安定化に努めるべきだと考える方が自然ですので、正直デメリットには感じていません。
むしろ、「機能的に流動負債が増えない」ということの方が大きなメリットになるのではないでしょうか。
「キャッシング機能なし」はどうか?
「キャッシング機能なし」についても、「支払方法1回のみ」と同じように、「機能的に流動負債が増えない」とういうメリットに貢献しています。
誘惑に負けて高い金利の流動負債が増えることがありません。
ETCカードはどうか?
田舎の賃貸経営では、物件の現地調査、修繕・清掃作業や定期巡回のために車で移動することが多いため、法人のETCカードがあると、個人による立替と精算が生じないため、経理作業がシンプルになって助かります。
具体的な会計処理の違いは下記の通りです。
<ケース1:個人のETCカードを使って出張した>
1)社員が立替払いしたETC利用料を損金計上した。
借方 | 貸方 | 摘要 | ||
旅費交通費 | ¥1,000 | 未払金 | ¥1,000 | 12/1 ETC利用 (社員が立替) |
2)社員から領収書の提出があり、振込みで精算した。
※インターネットバンキング等で振込み作業が発生
借方 | 貸方 | 摘要 | ||
未払金 | ¥1,000 | 普通預金 | ¥1,000 | 12/1 ETC利用料 振込による精算 |
<ケース2:法人のETCカードを使って出張した>
1)法人ETCカードの利用料を損金計上した。
借方 | 貸方 | 摘要 | ||
旅費交通費 | ¥1,000 | 未払金 | ¥1,000 | 12/1 ETC利用 |
2)法人カードの利用料が引落とされた。
※他のクレジットカード利用と一緒に引落とされる。
借方 | 貸方 | 摘要 | ||
未払金 | ¥50,000 | 普通預金 | ¥50,000 | カード引落 (ETC利用料含む) |
また、社員が何人かいる場合、複数のETCカードを発行できるのも大きなメリットです。
まとめ
楽天ビジネスカードを実際に使ってみて、下記理由により、楽天ビジネスカードが創業期の事業者にとって最適な1枚になることは間違いありません。
- 事業実績のない創業期に速やかに入手できる。
- 小規模事業には十分な利用枠(300万円)
- 機能的に流動負債が増えない。(支払方法は1回のみ&キャッシング機能なし)
- ETCカードを利用できる。
まだ楽天ビジネスカードの基本的な機能しか使っていないため、これから新たな発見があればお知らせします。
以上、ご参考になれば嬉しいです。
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