【大家さんの税務】新たに不動産を取得した場合の「不動産等の譲受けの対価の支払調書」の書き方【令和3年】

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令和3年の年末調整の時期です。マイクロ法人を運営している方には税務署から大きな封筒で『給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引』という書類が届いていることと思います。法定調書とは、税法により税務署に提出が義務づけられている資料をいいます。その種類はなんと59種類もあります。会社員がよく目にする源泉徴収票も法定調書の一つです。
一人社長や家族経営のマイクロ法人を作って不動産賃貸業を営んでいる方にとっても関係のある事務作業です。提出期限が翌年の1月31日ですので忘れずに手続きをしましょう。

さて、今回は、法定調書の中でも不動産賃貸業に関わりの深い『不動産等の譲受けの対価の支払調書』のについて、資産管理会社を作って個人所有の賃貸建物(建物だけ)を法人に移転した場合の不動産等の譲受けの対価の支払調書書き方を解説します。このような特殊なケースは調べても出てこないため、専門家のアドバイスを貰いながら作成しました。

『不動産等の譲受けの対価の支払調書』の提出義務者

国税庁のHPと送られてきた手引によると、不動産等の譲受けの対価の支払調書の提出義務者は下記の通りです。

譲り受けた不動産、不動産の上に存する権利、総トン数20トン以上の船舶、航空機の対価の支払をする法人と不動産業者である個人の方です。

とあります。
つまり、不動産を買ってお金を払った人です。

また、

同一の方に対する令和3年中の支払金額の合計が100万円を超えるもの

とあります。
ボロ物件など特殊なケースを除き、だいたいの不動産は一度の支払金額が100万円を超えるため、多くの不動産賃貸業者が該当してくると思います。

今回の趣旨である、資産管理会社を作って個人所有の賃貸物件を法人に移転する場合、その移転方法は売買ですので、自分が経営する会社でも売買に伴う金銭の授受が発生するため不動産等の譲受けの対価の支払調書を作成する義務が発生します。

【前提】資産管理会社を作って個人所有の賃貸物件を法人に移転したときの仕訳

資産管理会社を作って個人所有の賃貸物件を法人に移転したときのお金の流れをわかりやすくするために仕訳で考えてみましょう。

今回は、3,000万円の建物を個人から法人に売却するケースを例に説明します。法人は2,000万円を普通預金で個人(法人役員)に払い、残金の1,000万円は数年間にわたって個人に返済するため、長期未払金としておきます。他人から不動産を買う場合は長期未払金とする方法はなかなか許されないでしょうが、自分が所有している建物を自分が所有する法人に売却するため、このような方法も成り立つのです。建物の所有権を移転するときの登録免許税や不動産取得税などの移転コストは生じますが、個人は会社の株式を通して間接的に建物を所有するため、個人の資産はそれほど変わりません。

借方 貸方
建物 30,000,000 普通預金 20,000,000
長期未払金 10,000,000

この場合、個人への現金支払額は普通預金の2,000万円です。

【書き方】不動産等の譲受けの対価の支払調書

①支払を受ける者

今回は自分が所有している建物を自分が所有する法人に売却するため、社長ご自身の名前入を記入します。マイナンバーを忘れずに記入しましょう。

②物件の情報

物件の種類には譲り受けた不動産の種類を書きます。今回は建物を2棟売買するため、『建物』と書きます。土地は売却しないため記入しません。

物件の所在地には物件の所在地を記入します。

細目には建物の構造と用途を記入します。今回はアパートを売却するため、『共同住宅』とします。

数量には建物の延べ面積等を記入します。

取得年月日には不動産等の所有権の移転のあった年月日を記入するため、所有権移転登記を申請した日を記入するとよいでしょう。

支払金額には支払いの確定した金額を記入します。今回は3,000万円のうち2,000万円を現金で払い、残金1,000万円を長期未払金としていますが、ここでは未払金も含めた『確定した金額』を記入するため、3,000万円と記入します。

③(摘要)

(摘要)には譲受けの態様を記入します。今回は売買ですので、その年月日と現金支払額を記入します。また、不動産等の譲受けの対価の支払調書は国が高額の不動産売買を把握するための調書であるため、基本的には支払総額と物件所在地さえ分かれば十分とのことですので、(摘要)に長期未払金の1,000万円を記入しなくても問題ないようです。

④支払者

今回は自分が所有している建物を自分が所有する法人に売却するため、法人名を記入します。法人番号を忘れずに記入しましょう。

 

以上、参考になれば嬉しいです。

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