今回はシリコンバレーのコンサルティング会社THIS Inc.のCEOであるグレッグ・マキューン氏の著書、「エッセンシャル思考」を紹介します。冒頭に、「本書は、より多くの仕事をこなすためのものではなく、やり方を変えるためのものものである。そのためには、ものの見方を大きく変えることが必要になる。」とあります。この言葉からわかるように、これまでの人生で染み付いた慣習を横において、謙虚な気持ちで読むことが求められます。
こういう人におすすめです
- 公私問わずシンプルなやり方に変えて楽になりたい人
- たくさんの物事に忙殺されて大切なことを見失いそうな人
- 自分の自由な時間を取り戻したい人
この書籍のポイント
思考の習慣を変える
「やらなくては」「どれも大事」「全部できる」
これらの言葉を次のように置き換えましょう。
「やると決める」「大事なものはめったにない」「何でもできるが、全部はやらない」
この思考方法に変えていくだけで、人生の不要なものを削ぎ落として、本質的なことに集中できます。シンプルなようですが、一度に沢山のことが舞い込んでくる現代社会では、すぐに忘れてしまうかもしれません。本書では、これを「うっかり耳を傾けようものなら、不要なものごとの海に溺れることになる。」と、上手く表現しています。
きっぱりとノーと言おう
きっぱりとノーと言いましょう。
私は頼み事を断れないタイプの人間です。しかし、大抵の頼みごとは私の時間を奪っていきます。きっぱりとノーと言って断ることができなければ、我々の大切な時間はどんどん少なくなっていきます。だから、周囲の期待やプレッシャーに負けてイエスと言うのではなく、本当に重要なことを見極めて、勇気を持って断る必要があります。やってみれば案外簡単かもしれません。先ずは、心躍らない誘いや、不要と感じた会議から断ってみましょう。自由な時間が増えることを実感できることと思います。
境界線を作ろう
自分自身の心の境界線を作ることで私達はもっと自由になれます。これを聞くと境界線なんて窮屈だと感じるかもしれません。しかし、これは非エッセンシャル思考の人の考え方であり、本当は、境界線を作ることは制限を作ることではなく、明確な判断基準を作ることなのです。
- 仕事が容赦なく休日を侵食していませんか?
- 本当は嫌なのに我慢して従っていませんか?
これらは境界線が無く、他者からの侵入を許している状態です。
- 毅然とした態度で断る。
- 不快に感じたら距離を置く。
たったこれだけで境界線を引くことができます。
もし、自分自身の心の境界線がわからない人がいたら、自分が怒ったり不快に感じたことが境界線のヒントです。心がけてみてください。
現在に集中しよう
自分、他者、過去、未来、現在、この中でコントロールできるものは自分と現在しかありません。過去の苦い思い出や恥の記憶、あるいは未来の不安に苛まれることは誰にでもあることです。しかし、これらに囚われることで現在の思考の質は大きく低下してしまいます。そういうときは現在に集中しましょう。ただこれは言うは易く行うは難しなので、具体的にどうすればいいのかを考えてみました。
- たった1つの重要なことを見つけ出すこと自体に時間を使う。
- それを達成するためには今何ができるのかを考える。
- 今を楽しむ。
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