【人生観】損益分岐点の考え方で自分に合った会社との関わり方を見つける方法【前編】

会社

こんにちは。ニョロです。

本日は会社との関わり方を損益分岐点で考えようという内容をお伝えします。

損益分岐点と言っても経理で使う本当の損益分岐点の話ではありません。損益分岐点の考え方を使って自分に合った会社との関わり方を見つける方法をご紹介します。私がこの考え方をするに至った理由はシンプルで、上司を含む多くの人が不安感を持って、何かに怯えながら仕事をしていることに疑問を持ったからです。かつては会社一筋で順調に昇進していくことが美徳とされていましたが、終身雇用が崩壊した今日ではそのような考え方は非常に危険です。会社一辺倒で人生を送ると身も心も会社に追われ、自分が大切にしている価値観までもが蝕まれ、最終的には多くの犠牲を払うことになります。過激に表現しましたが、これくらい言って丁度良いと思います。我々は常に健全な危機感を持って人生を歩む必要があるのです。

しかし、今すぐに会社を辞めて縛られずに生きていこうというのも厳しいかもしれません。守るべき家庭を持って、そのために会社で頑張っている人も多くいるはずです。ですが、抜けられない螺旋に入ってしまったと諦める前に会社との関わり方を真面目に考えてみませんか?

そこで、私は損益分岐点の考え方を使って自分に合った会社との関わり方を見つける方法を提案します。どのレベルまで会社に関わって貢献するのかが明確になれば、自分の大切にしたいものを取り戻すことができて、人生の目的(価値観マップ)実現に一歩近づきます。社会が『働き方改革』を要求するのであれば、我々労働者は『関わり方改革』を推進して、主体的に人生を良くする必要があるのです。

考え方一つで悩みが解決するかもしれません。会社員として生活して、未来に悩み苦しんでいる方の希望になれば幸いです。

会社員のメリット

前編では、本題に入る前に私が考える会社員のメリットとデメリットをお伝えします。自分に合った会社との関わり方を見つけるためのヒントになります。

メリット① 安定的に給与が支払われる

会社員でいることの最大のメリットは何と言っても安定的に給与が支払われることです。会社との契約が履行されている限り不当に給料を下げられることはなく、安定的な収入が約束されます。このメリットを活かすことが自由への近道になります。また、私の友人に個人事業主の方がいますが、サラリーマン時代よりも自由だけれども経済的な不安感が大きいと話していることかわも分かるように、安定的な給与が精神的な助けにもなっています。

メリット② 厚生年金と社会保険の半分を会社が負担してくれる

実は、厚生年金と社会保険の半分は会社が負担してくれています。この点は会社に感謝しなくてはなりません。更に、扶養家族がいる場合、被扶養者の社会保険料の支払いが免除されます。これが個人事業主の場合は国民健康保険となるため自分と家族の保険料を全額支払う必要があります。

メリット③ 福利厚生を利用できる

会社や加入している健康保険組合によって様々な福利厚生を利用できるのも会社員のメリットです。例えば、扶養家族が健康診断を格安で利用できたり、介護、育児休暇などの各種休暇があります。会社によってはカフェテリアプランと称して社員が好きな物を購入するために補助が出ることもあったり、自動車保険の団体割引を利用できたりします。福利厚生は限界まで使わなくては損です。

メリット④ 融資を受けやすい

住宅ローンなどの多額の融資を受ける際に、会社員で年収が安定していることは大きなメリットになります。日銀のマイナス金利政策によって住宅ローンの金利はかつてないほど引き下げられています。その中でも目立つのが大手ネット銀行の住宅ローンです。変動金利であれば0.4〜0.6%が当たり前となっています。しかし、ネット銀行の住宅ローンを利用する上で注意しなくてはならない点が、借入可能最低年収が高いことです。例えば楽天銀行の場合、借入可能最低年収が400万円と決まっており、それを下回るとローンを利用することができません。地方銀行などでは年収が400万円よりも低くても借入可能な場合がありますが、ネット銀行よりも遥かに高い金利になってしまいます。住宅ローンを利用した人の最大の固定費になる月々のローン返済額を最小化して、自由に使えるお金を増やすためにもネット銀行を是非とも利用したいです。

メリット⑤ 自分の行動にレバレッジをかけられる

会社が世界的に大きな影響力を持っている場合、自分の貢献が社会に与える影響も大きくなります。例えば、個人ではできないような巨額の設備投資を実行できたり、自分が開発したもので大きな利益が出たり、多少の失敗が許されるなどいろいろです。つまり、小さい労力で社会や文明の発展に貢献できることになります。これがレバレッジであり、私が会社員でいることの理由の一つです。会社員でいながら、稼ぐための労働から自分のやりがいを追求するための労働に移行するために必要な考え方になります。

会社員のデメリット

デメリット① 時間の拘束を受ける

会社員の最大のデメリットが時間の拘束を受けることです。下の図は会社員の平日の時間の使い方の例です。8時間の労働に通勤時間を加えると9〜10時間もの時間を会社によって拘束されます。睡眠時間を8時間、朝食と夕食をそれぞれ1.5時間とすると、自由に使える時間は3時間しかありません。なにか行動を起こそうにも自由な時間が無いと非常にやりにくいです。会社員でいる限りこの呪縛からは抜けられないため、有給休暇や福利厚生を最大限活用しましょう。私も有給休暇の利用率は100%です。

デメリット② 手取を増やしにくい

はっきりと言います。

会社員は税金の奴隷です。

社会保険料と厚生年金を省いて、会社員の給与、税金、手取りの関係を簡単に整理すると以下のようになります。

給与 × 税率 = 税金
給与 - 税金 = 手取り

一方で、事業者はどうかというと、

売上 - 経費 = 所得
所得 × 税率 = 税金
所得 - 税金 = 手取り

所得に応じて税金が決まるのは同じですが、経費が存在するおかげで所得を低く計算することができます。極端な話、売上と同額の経費があれば税金を0にすることができます。したがって、年収1000万円の会社員と、年収1000万円の事業主では手取りが全く異なります。実は会社員にも経費と認められるものもありますが、支出が業務に必要なものであったことの証明を会社からもらう必要があったり、自腹が前提であったりと事実上使用できないです。

この問題をより強く実感するために、初任給¥230,000で入社した社員が約90ヵ月間昇給しながら働いたときの給与と手取額をシミュレートしました。(月の平均残業時間:30時間込み)

なんと、給与は92カ月で+74.3%になったにも関わらず手取は+46.8%にしかなりませんでした。所得税は累進課税であるため、所得金額が増えるほど税率が高くなります。そして、所得から経費と差し引けない会社員はもろに累進課税の影響を受けるのです。入社15ヵ月頃の手取と80カ月頃の手取が同額なのは泣けますね。

しかし、悪いのは国や会社だと考えてはいけません。原因は常に自分にあるのです。この状態から早く脱出するには一刻も早く行動して事業者と同じ土俵に立つしかありません。事業を持って経費を利用できる状態にするのです。

デメリット③ マネーリテラシーが低下しやすい

もう一つ忘れてはならないことは源泉徴収と年末調整の存在です。確定申告をする手間が省けることをメリットと考えている方が散見されますが、会社員から税金を意識する機会を奪い、マネーリテラシーを低下させる悪しき制度だと私は考えています。年末調整を『面倒だから』や、『還付額が少ないから』などと言って放置している人がなんと多いことか。取られたものは申請してきっちりと取り返しましょう。

デメリット④ 昇進するほど犠牲が増える

デメリット②でお伝えしたように、会社員には経費が事実上存在しないため、昇給すればするほど税金が増えます。この問題を解決せずに惰性で昇進し続けるとどうなるでしょうか。

【会社員の負のループ】
手取を増やそうと昇進を狙う。
↓
給与が増える。(同時に税金が増える)
↓
もっと手取を増やそうと更に昇進を狙う。
↓
会社に貢献する時間が増える。(同時に精神的負担が増える)
↓
自分の自由な時間が減る。
↓
思考が止まる。(正確には精神的に会社に依存して会社のことしか考えなくなる)
↓
リピート

このようなリピートに陥るとなかなか抜け出すことはできません。私見が入ってしまいますが、『会社の命令だから仕方なく単身赴任する』『妻が嫌がっているけど家族で引っ越した』などは会社員の負のループの典型です。会社であなたを評価している管理職を見てください。このような状態に陥って多くの犠牲を払っている人が沢山いませんか?私なら、会社から冷遇されるよりも愛すべき家族と好きな場所で快適に暮らすことを最優先します。

デメリット⑤ 人を選べない

世の中にコミュニケーションのビジネス本が溢れ返っていることからも分かるように、会社員の最大の悩みは人間関係です。上司、部下、後輩、先輩、取引先の人々。彼らを選ぶことは殆どできません。人を選ぶような行動は組織活動を重視する世界では嫌われるでしょう。一方で飲み会に行けば上司の悪口でストレス発散。動物である人間は本来自由なのですが、なぜか会社員は我慢大会を続けて一緒に居たくもない人間と行動を共にするのです。

まとめ

私が考える会社員のメリットとデメリットをお伝えしました。これ以外にも沢山出てくることと思いますが、それらは全て正解です。なぜならば人生観や価値観は人それぞれだからです。会社員が最高だという人もいるでしょうし、今すぐに脱出したという人もいると思います。大切なのは、自分の心地よい関わり方を見つけることです。

メリット
① 安定的に給与が支払われる
② 厚生年金と社会保険の半分を会社が負担してくれる
③ 福利厚生を利用できる
④ 融資を受けやすい
⑤ 自分の行動にレバレッジをかけられる
デメリット
① 時間の拘束を受ける
② 手取を増やしにくい
③ マネーリテラシーが低下しやすい
④ 昇進するほど犠牲が増える
⑤ 人を選べない

次回はいよいよ本題です。

昇進すべきかどうか、あるいは会社に対してどこまで貢献するのが自分に合っているのかを判断するために、損益分岐点の考え方を使いこなせるようになりましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました